最後に出版後の世界について書いていこうと思います。

結論から言うと、出版すると世間(親・友人・知人・旧友)の見る目が変わります。私の場合もブログ飯の時はフリーランスという名の絶賛無職だったのですが、本を出した直後から先生扱いになりました。電子書籍も出版には違いないんですが、書店に並ぶという事実はやはり違うんですよね。

紙の書籍を1冊出しているのと出していないのとでは世間的な信頼度は大違いです。ウェブメディアに取材されるのと、専門雑誌に取材されるのも違います。紙媒体はオールドメディアだと揶揄されますが、世間の信用度はいまだオールドメディアに担保されているわけです。

著者という肩書きができることにより、世間の信頼度のランクが一段上がります。ライターや講師の募集はほぼ100%通りますし、仕事の単価も上げられます。著書があるということはその道の専門家ですから、高めの金額で見積もったとしても納得してくれやすくなります(担当者が稟議書に理由が書きやすくなります)。

行政の仕事ではさらに顕著に影響が感じられます。著書があるということで先生扱いになります。良い悪いじゃなくてそういうもんなんですよ、行政機関は。

出版を経験し、さまざまな世界に足を踏み入れることにより、今まで関わらなかったような人脈が広がります。不思議と著者の周りには著者が集まるんです。もちろん、自分自身で行動をしている人の話になりますが。ぜひ自分の目で新しいステージを確かめてください。

この長文連載をここまで読んでくれたみなさんにも、必ず強みや独自性があります。「いつか出版したいという漠然とした夢」ではなく、「2023年までに出版する。そのために2022年は実績を積む年にして、2022年9月まで検証し再現性を確かめ、自分の得意分野を活かした企画を練り上げ、出版社に持ち込む」といった明確な目標を掲げて毎日を過ごしてください。

この連載を読んだ人から著者が出てくれることを期待しています。

投稿者プロフィール

染谷昌利
染谷昌利
ブログメディアの運営とともに、コミュニティ(オンラインサロン)運営、書籍の執筆・プロデュース、YouTube活用サポート、企業や地方自治体のIT(集客・PR)アドバイザー、講演活動など、複数の業務に取り組むパラレルワーカー。

現在は複業(副業・兼業)の重要性を伝えるため、新聞や雑誌、ウェブメディアの連載や取材の傍ら、テレビやラジオなどのマスメディアへの働きかけをおこなっている。

著書・監修書に『副業力』(日本実業出版社)、『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』(インプレス)、『ブログの教科書』(ソーテック社)、『成功するネットショップ集客と運営の教科書』(SBクリエイティブ)、『クリエイターのための権利の本』(ボーンデジタル)、『複業のトリセツ』(DMM PUBLISHING)など45作(2022年5月現在)。