書籍を出版したいという「想い」は大切です。

「いつか出版したいんです!」とか、「私の経験やノウハウは絶対に役立つはずなんです!!」とか、「企画書作りました、見てください!!!」とか、いろんな相談を受けます。

確かに書籍を出版したいという「想い」は大切です。でも現実社会的には「実績」も重要です。想いに実績が伴っていないと、商業出版の企画としては通りづらいです。

では実績とはなんでしょうか。

私は正直、なんでも良いと思っています。誰にでも得意分野や好きな事、イコール専門性があります。でもこの専門性は自分で掘り起こさないと見つけることはできません。

私が探しても、家族が探しても、友人が探しても、パートナーが探しても見つかりません。カバンの中にもつくえの中にも入っていません。向かいのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに。

専門性は自分自身で、自分の中から掘り起こしてもらうしかありません。好きなこと嫌いなことを、とにかく書き出すというアナログ的なやり方でも良いでしょう。Wordに打ち込むのもOKです。マインドマップでも構いません。

ブログを書いてる人だったら、自分の古い記事を読み漁ってみるのも良いでしょう。数年前の自分の稚拙な文章に赤面しながら、得意分野だと思う内容を洗い出していくことも効果的ですし、他の発信者と違うポイント、尖ってるんじゃないかというポイントを見つけ出すことも一つのやり方です。

強みを見出したら、その武器を鍛えていく必要があります。鍛えるとはなにか。それは再現できるかどうかです。

偶然、一回できただけでは強みではありません。運が良かっただけです。運が良いというのも一つの強みではありますし、運勢の上げ方もあるんですがここでは割愛します(※ラピスラズリ買って、札束入りのバスタブに入れとかいうのではありません)。

私の場合、スマートフォンの使用法&おすすめアプリ紹介のブログで一定の実績を作り上げました。ただ、その成功はマグレかもしれません。ですから同様のブログを他に4つ運営してみました。

多少の誤差はありましたが、ページビューの伸ばし方はまったく一緒で問題ないという検証結果がでました。収益化についても同じ方法でおこなうことができています。なおかつ3年近くの期間、それぞれのブログで月間100万ページビューを超える、あるいは近い数値を出し続け、そしてブームが去ってページビューが落ち込んでいくという悲しい体験もしました。

これらの経験から、ブログのアクセスの伸ばし方や収益化方法、そしてマインドセットの重要性という武器を鍛えることができたわけです。撤退のタイミングと重要性についても説明できます。ほら、ブログの専門家の出来上がりです。

でも専門性って・・・、残念ながら上には上がいるんです。

自分の土俵を創り出しトップランナーになる

僕のポジションって微妙で、ブログのページビューで勝負したら化物みたいな人ってたくさんいるんです。収益額をみても私より上の人って山ほど存在します。

書籍についてもブログ飯とか、一生懸命250ページ以上の文量を書いても、8ページ程度の鬼嫁コラムの方が面白いとか言われるぐらい文章力も大したことないんですよ(やさぐれ)。

でも、得意分野の組み合わせ、たとえばブログ運営のことだったり、複業(副業)のことだったり、収益化のことだったり、出版のことだったりとか、筋トレのことだったり。情報を組み合わせて話すことができるのは僕だけです。いくら収益額が大きくても、人前に出て喋るのが苦手な人もいるわけですから。

Webで表現したり、講演で表現したり、紙媒体で表現したりできることも独自性です。

自分は何が得意で、逆に何が苦手で、何を組み合わせたら自分だけのポジションを生み出せるのか、そこをしっかりと理解しておく、認識しておくことによって、自分自身の強みとして売り出すことができます。

一つの軸と、複数の得意分野の組み合わせ

これがブルーオーシャンです。一つ一つの能力はたとえ1.5流レベルでも組み合わせによってトップランナーになれるんです。よく「日本で2番目に高い山は覚えてもらえない、だから2番手に意味はない」的な陳腐な言葉を聞きますが、2番目でも複数組み合わせれば立派な独自性になるんです。

得意分野は、同じことをしているだけでは増やせません。適度に負荷をかけること、背伸びをすることが大切です。

私は3作目でネットショップの書籍を書いてるんですけど、当時の私自身はネットショップの運営なんてやったことありません。それでよく手を挙げたなって話なんですけど、ネットでの集客の仕方や、物の売り方の原理は学んでいたので大枠は分かるんです。ブログで集客して、アフィリエイトで販売するということも何年もやってますしね。

ただ、実際に在庫を持って、お客様と対応して、商品を発送するなどの実務が分からないので、ネットショップの店長経験がある人に共著に入ってもらいました。背伸びした分の足りない知識は、必要に応じて身につけていけばいいんです。実践が一番学びになります。

同じことを反復練習することは確かに重要です。でも、一つ上のステージの学びを得る、隣のカテゴリの文化を知ることによって、得意分野の幅は広がっていきます。自分のエリアが広くなればなるほど、組み合わせによる独自性を増やすことができ、オンリーワンになって、結果としてナンバーワンになれるわけです。

投稿者プロフィール

染谷昌利
染谷昌利
ブログメディアの運営とともに、コミュニティ(オンラインサロン)運営、書籍の執筆・プロデュース、YouTube活用サポート、企業や地方自治体のIT(集客・PR)アドバイザー、講演活動など、複数の業務に取り組むパラレルワーカー。

現在は複業(副業・兼業)の重要性を伝えるため、新聞や雑誌、ウェブメディアの連載や取材の傍ら、テレビやラジオなどのマスメディアへの働きかけをおこなっている。

著書・監修書に『副業力』(日本実業出版社)、『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』(インプレス)、『ブログの教科書』(ソーテック社)、『成功するネットショップ集客と運営の教科書』(SBクリエイティブ)、『クリエイターのための権利の本』(ボーンデジタル)、『複業のトリセツ』(DMM PUBLISHING)など45作(2022年5月現在)。