※この連載は作家 浜口倫太郎先生より特別に許可をいただき、ご本人のnoteから転載させていただいています。浜口先生のnoteはこちら

--

いつもお世話になっています。作家の浜口倫太郎(@rinntarou_hama)です。

例えばお金に関する本を書きたいと考えたとしましょう。

でも自分は別に金持ちでもなんでもない。いたって普通の人です。そんな人間がお金のことを書いてもいいのか? 出版社はそんな本を出してくれるのか? たとえ出版できても、ただの一般人が書いたお金の本を読んでくれるのか?

そんな疑問が浮かびますよね。その問いに関して、作家の本田健さんがなるほどという答えをしてくれました。

本田健さんは、『ユダヤ人大富豪の教え』や『二十代にしておきたい17のことシリーズ』など続々とベストセラーを出されている作家さんです。本も100冊近く出されています。

20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)

20代にしておきたい17のこと (だいわ文庫)

本田健
550円(11/21 16:33時点)
発売日: 2010/04/09
Amazonの情報を掲載しています


そんな本田さんがおっしゃるには、著者には『体現者』と『観察者』の二種類があると。

体現者というのは実際のお金持ちです。一代で資産を築き上げた起業家の人とかですね。こういう人はお金に関する本をよく書きますよね。

松下幸之助さんや、柳井正さんなど日本を代表する実業家の方々も本を出されています。

一方、観察者というのは、「自分はお金持ちではないが、たくさんのお金持ちを見てきた人」です。

例えば『銀座のママが見た金持ちの秘密』とかいう感じの本があるじゃないですが。銀座のママは別に大金持ちではないですが、お金持ちを観察することで、その共通点を書いているわけです。

だから別にすごい人でもなくても、それを観察するだけで本を書けるんです。

しかも自身がお金持ちではなくても説得力はありますよね。

さらに本田さんは、「体現者は著者で終わることが多いですが、観察者は作家になれる確率が高いです」とおっしゃっていました。

著者と作家の違いは、出している本の冊数と言い換えられます。

例えば前述の大成功した起業家だと、一冊か二冊を書いて終わりです。というのも自分の体験を書いているので、本を書くネタがすぐに尽きてしまうわけです。経験談なんてそんな何冊も書けるほど普通はありません。

一方観察者はネタ切れを起こしにくい。というのもいろんな人を見た上での考察や分析を書いているので、観察さえすればネタは増やせるからです。

これだと何冊も書けるので作家になれるというわけです。

本ってすごいひとじゃないと書けないと思いがちじゃないですか。でも観察者の立場に立てば書けるわけです。

投稿者プロフィール

浜口倫太郎
作家、放送作家、漫画原作、ウェブトゥーン原作。著書『ワラグル』『お父さんはユーチューバー』『AI崩壊』『22年目の告白』『廃校先生』他多数。noteで連載小説。アイデア、ストーリーの作り方、自己啓発、歴史、本、漫画、映画、アニメ、ゲームなどについて話します。猫、ラーメンが好きです。